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秋が深まって空気が乾いてくると、洗顔のあとに顔がつっぱる。
今年もそんな季節がやってきました。
この記事では、冬に顔が乾きやすい「なぜ?」と、お金をかけずに今夜からできる保湿のやり方、ヒアルロン酸やセラミドなど、パッケージに並ぶ成分の違いをやさしくひもときます。最後に、自分に合う保湿クリームの選び方とおすすめもまとめました。

冬の顔、つっぱる・粉をふく…。「ヒアルロン酸配合」って結局なにがいいの?
朝、バタバタと顔を洗ってタオルで拭いた瞬間、頬がピンとつっぱる。夕方、会社のお手洗いで鏡を見たら、小鼻のわきや口元のファンデーションが白っぽく浮いて、粉をふいたように見える。暖房のきいたオフィスに一日いると、帰るころには顔がなんとなくかさついている。寒くなると、こんな小さな「あれ?」が毎日のように続きます。
クリームを買い足そうとドラッグストアに寄っても、棚の前で手が止まります。「ヒアルロン酸配合」「セラミド配合」「ワセリン」……。どれもうるおいそうなのはわかるけれど、何がどう違うのかはよくわからない。仕事帰りに1つずつ見比べる余裕もなくて、聞いたことのある成分名や、パッケージの「しっとり」の文字でなんとなく選んでいる。そんな人も多いようです。
でも、それは選び方が雑だからではありません。店頭で成分の違いまでゆっくり確かめる機会は、なかなかないものです。
成分にはそれぞれ得意な役割があって、そこがわかると「自分の乾燥には、どこを見ればいいか」がぐっと選びやすくなります。その前に、そもそもなぜ冬になると顔が乾きやすいのか。次の章で、その「なぜ?」から見ていきます。
なぜ?冬になると顔が乾燥しやすい理由
冬は、肌のうるおいのしくみに負担がかかる条件がそろっている
肌のいちばん外側には、「角層(かくそう)」と呼ばれるとても薄い層があります。この角層の中でうるおいを守っているものを、ざっくり3つに分けて考えるとわかりやすくなります。
【1】角層の細胞の中で水分を抱えているNMF(天然保湿因子)
肌がもともと持っている、うるおいのもとのような存在です。
【2】細胞と細胞のすき間を埋めて、水分を保っている細胞間脂質(さいぼうかんししつ)
レンガのすき間を埋めるセメントのようなもので、その主成分のひとつがセラミドです。
【3】肌の表面をうすくおおっている皮脂
水分が外へ逃げにくいように、ふたの役目をしています。

水分を「抱える」、すき間で「保つ」、表面で「ふたをする」。この3つが一緒に働くことで、肌のうるおいは守られています。この役割分担は、あとで保湿クリームの成分を見るときにもう一度出てくるので、頭の片隅に置いておいてください。
冬は、肌のうるおいの仕組みに負担がかかる条件がそろっている
外に出れば冷たい風、家やオフィスに入れば暖房と、一日じゅう乾いた空気の中で過ごすことになります。そんな空気の中では、肌の水分も逃げやすくなります。
そこに、毎日の習慣が重なります。寒い朝ほど熱めのお湯で顔を洗いたくなりますし、冷えた体を温めようと、つい長湯をしてしまう夜もあるはず。ただ、熱いお湯は肌に必要なうるおいまで洗い流しやすいとされています。急いでいる朝にタオルでゴシゴシ拭いたり、クリームを手早くすり込んだりするのも、肌にとっては負担のひとつです。
乾燥は季節のせいと思いがちですが、毎日のちょっとした習慣でも変わってきます。裏を返せば、お金をかけなくても見直せるところがあるということ。次の章では、今夜から試せる保湿のやり方を紹介します。
まずはお金をかけずに。今夜からできる保湿のやり方

新しいクリームを買う前に、いつもの流れを少し見直してみませんか。どれも特別な準備はいりません。
洗ったら、なるべく早く保湿する
洗顔やお風呂のあとの肌は乾きやすいので、保湿はあと回しにしないのがいちばんです。コツは「タオルで拭いたら、そのまま保湿まで」をひと続きにしてしまうこと。化粧水とクリームを洗面所に置いておけば、髪を乾かす前に済ませられて、うっかり忘れも防げます。
水分の多いもの → 油分の多いものの順に重ねる
化粧水のあとに乳液やクリーム、という順番です。「水分が先、油分があと」と覚えておくと迷いません。クリームのべたつきが苦手なら、乾きやすい目元や口元だけに使うのもひとつの方法です。
こすらない
タオルはゴシゴシ動かさず、顔にそっと当てて押さえるように。クリームもすり込むのではなく、やさしくなじませます。急いでいる朝ほど、ここだけは意識してみてください。
お湯の温度は、ぬるめに
顔を洗うときは熱いお湯を避けて、ぬるま湯で。入浴は38〜40℃くらいが目安とされていて、湯船につかるなら40℃までで10〜15分程度がよいと言われています。寒い夜の長湯は気持ちいいものですが、乾燥が気になる時期はほどほどに。
部屋を加湿する
房をつけていると、部屋の空気はどんどん乾いていきます。
湿度は50〜60%が良いそうで、乾いた部屋で過ごす時間が長い冬は、加湿器を使ったり洗濯物を部屋干ししたりして、空気が乾きすぎないようにしておきたいところです。
化粧水で水分を与えたあと、最後に”ふた”をする役目を担うのがクリームです。では、そのクリームの中身は、肌の上で何をしているのでしょう。よく聞く「ヒアルロン酸」の正体とあわせて、次の章でのぞいてみます。
ヒアルロン酸ってよく聞くけど何?保湿成分は「3つの役割」
パッケージに並ぶ成分名は、1つずつ覚えなくても大丈夫です。さきほどの肌の3つのしくみに当てはめてみると、見分けやすくなります。
保湿成分の役割は「抱える・保つ・ふたをする」の3つ

肌のしくみに合わせて、保湿成分を3つに分けてみます。
1つ目は、水分を「抱える」成分。
代表はヒアルロン酸(成分表示では「ヒアルロン酸Na」など)やグリセリンで、水分を抱え込む性質があります。肌のしくみでいうと、NMFに近い役割です。
2つ目は、水分を「保つ」成分。
代表はセラミドです。細胞間脂質の主成分のひとつで、すき間で水分をとどめておく役割にあたります。
3つ目は、表面で「ふたをする」成分。
ワセリンやスクワラン、シアバターなどの油分がこれにあたります。皮脂と同じように表面をおおって、水分を逃げにくくしてくれます。
クリームの一番の仕事は”ふた”
ヒアルロン酸はCMやパッケージでよく見かけるので、「入っていればしっかり保湿できそう」と感じますよね。でも、クリームを選ぶときに注目したいのは、少し別のところです。
クリームは乳液よりも油分が多く、うるおいを長く保つ役目を担っています。つまり、クリームのいちばんの仕事は、3つの役割のうちの「ふたをする」こと。だからクリームを選ぶときは、セラミドのような「保つ」成分と、ワセリンやスクワランのような「ふたをする」油分が入っているかを見るのがおすすめです。ワセリンのようにふた役が中心のものは、化粧水で水分を与えてから重ねるのが基本です。
ヒアルロン酸は、入っていればうれしい成分、くらいに考えておくと気がラクです。水分を抱える成分は化粧水などにもよく入っているので、クリームでなくても取り入れやすいもの。「ヒアルロン酸配合」の文字だけで選ばなくても大丈夫です。
実は保湿が目的ではない成分もある
最近よく見かけるビタミンC誘導体やシカは、保湿成分と並んで書かれていることが多く、つい同じ仲間に見えてしまいます。ただ、ビタミンC誘導体は日やけによるシミ・そばかすを防ぐ目的などで使われることが多い成分、シカはツボクサという植物由来の成分で、肌荒れを防ぐ目的で使われることが多いと言われています。どちらも人気の成分ですが、うるおいを保つことがいちばんの目的ではありません。乾燥が気になる冬にこうした成分入りのものを使うなら、保湿成分が入ったものと組み合わせてみてください。
成分の見方がわかれば、あとは自分の乾燥タイプに合わせて選ぶだけ。次の章では、保湿クリームの選び方とおすすめを紹介します。
冬の顔に。自分に合う保湿クリームの選び方とおすすめ
自分の乾燥タイプで選ぶ
顔がつっぱる・しっかり保湿したい
セラミドなどの「保つ」成分と、「ふた」になる油分がしっかり入ったクリームを選びましょう。こっくりしたバームタイプは重めの傾向があり、乾燥が強いときに頼りになります。
べたつきが苦手
ジェルタイプは軽めの傾向があります。クリームを顔全体に塗るのが苦手なら、さきほどのやり方のように、乾きやすい目元や口元だけに使う手もあります。
肌荒れをくり返しやすい
医薬部外品(薬用)も選択肢に入れてみてください。医薬部外品とは、国が認めた効果をもつ成分(有効成分)が決められた量入っているもののこと。パッケージに「医薬部外品」や「薬用」と書かれています。
敏感に傾きやすい
初めて使うものは、手の甲などに少しだけ塗って様子を見てから顔に使うと心強いです。「パッチテスト済み」などの表示があっても、すべての人に刺激が起きないわけではありません。
パッケージの裏を見てみよう

保湿クリームの成分表示は、基本的に多く入っている順に並んでいます。ただし、配合量が1%以下の成分は順不同でよいことになっているので、セラミドが後ろのほうに書いてあっても、それだけで少ないとは言い切れません。医薬部外品は化粧品と書き方のルールが違うため、並び順での比べ方は当てはまりません。
あわせて見ておきたいのが、「顔にも使える」と書いてあるかどうか。使う量も、パッケージや商品ページにある目安に合わせると、塗りすぎや塗り足りなさを防げます。
皮膚科に相談したほうがいいサイン
粉をふくだけでなく、赤みやかゆみ、ヒリヒリした感じが続くときや、保湿を続けても良くならないときは、自己判断で塗り続けずに皮膚科で相談してみてください。
タイプ別のおすすめ保湿クリーム
| 商品 | タイプ | こんな人に | 主な保湿成分 |
|---|---|---|---|
| ETVOS モイスチャライジングクリーム | こっくりバーム | 乾燥が強い・しっかり保湿したい | セラミド5種(保湿成分)、シア脂(ふた役の油分) |
| イニスフリー グリーンティー セラミド バリア クリーム | なめらかなクリーム | しっかり保湿したいけど重いのは苦手 | セラミドNP(保湿成分)、チャ種子油(保湿成分) |
| アクアレーベル スペシャルジェルクリーム EX | オールインワンジェル | べたつきが苦手・朝を時短したい | ヒアルロン酸Na・グリセリン(保湿成分) |
| dプログラム スキンリペアクリーム EX | 医薬部外品のクリーム | 肌荒れをくり返しやすい | 植物性スクワラン(ふた役の油分) |
| キュレル 潤浸保湿 フェイスクリーム | 医薬部外品のクリーム | 乾燥しやすく、肌荒れも気になる | セラミド機能成分(保湿成分) |
| ワセリズム 保湿バーム | ワセリン系バーム | ふたをしっかりしたい・顔も体も1つで | ワセリン(保湿成分)、セラミド(保湿成分) |
しっかり保湿したいなら
5種類のセラミド(保湿成分)に、シア脂(エモリエント成分)やグリセリン、ヒアルロン酸Na(いずれも保湿成分)も入っていて、「抱える・保つ・ふたをする」の3つがそろったクリームです。エモリエント成分とは、油分で肌の表面をおおって水分を逃げにくくし、肌をやわらかく保つ成分のこと。さきほどの「ふたをする」役割にあたります。こっくりとしたバームのような質感で、体温でとろけるようになじみます。スキンケアの最後に使うクリームで、乾燥が気になる時期は寝る前に少し足して使うこともできます。
暖房の部屋で一日過ごす日が続く方に。
重いクリームが苦手なら
セラミドNP(保湿成分)とチャ種子油(保湿成分)が入った、「保つ」と「ふた」を両方こなすクリームです。なめらかな質感でべたつきが少なく、こっくりしたクリームの重さが苦手な人にも使いやすいのがうれしいところ。スキンケアの最後に、顔全体にやさしくなじませます。
しっかりうるおいがほしいけれど、重たさは避けたい方に。
朝をとにかく時短したいなら
時短したい日に1品で使える、オールインワンのジェルクリームです。べたつかない軽い使い心地で、出かける前のバタバタした朝でも、さっとお手入れを終えられます。セラミドは入っていないので、乾燥が強い日は目元や口元だけクリームを重ねるのもおすすめです。
朝のスキンケアにかける時間を、少しでも短くしたい方に。
肌荒れをくり返しやすいなら
医薬部外品の敏感肌用クリームです。炎症を抑え、肌荒れを防ぐ有効成分に加えて、ふた役の油分である植物性スクワラン(エモリエント成分)も入っています。溶けこむようになじんでべたつかないので、朝夜どちらも、お手入れの最後に使いやすいクリームです。
季節の変わり目や乾燥の時期に、肌荒れが気になりやすい方に。
乾燥も肌荒れも気になるなら
消炎剤(有効成分)を配合し、肌荒れを防ぐ医薬部外品のクリームです。セラミド機能成分(保湿成分)も入っていて、うるおいを与えてくれます。クリームなのに軽やかでべたつかず、化粧水や乳液のあとに重ねるだけなので、いつものお手入れにそのまま足せます。
乾燥しやすく、肌荒れも気になる方に。
ふたをしっかりしたいなら
ワセリン(保湿成分)に、セラミドとヒアルロン酸Na(いずれも保湿成分)も合わせた保湿バームです。ワセリンなのに水のようにべたつかない使い心地で、顔にも体にも使えます。洗面所に1つ置いておけば、顔のあとにひじやかかとまで、まとめてお手入れできます。
ワセリンのべたつきが苦手で、ふた役を探している方に。
気になるものがあれば、商品ページで質感や使い方もチェックしてみてください。
成分まとめ
水分を抱える成分
■ヒアルロン酸Na
水分を抱え込む性質を持つ保湿成分。成分表示では「ヒアルロン酸Na」などと書かれています。
■グリセリン
ヒアルロン酸と同じく、水分を抱え込む性質を持つ保湿成分です。
水分を保つ成分
■セラミド
肌の細胞のすき間を埋める細胞間脂質の主成分のひとつ。成分表示では「セラミドNP」などの名前で書かれています。
■セラミド機能成分
セラミドに似たはたらきをするように作られた保湿成分です。
水分にふたをする成分
■ワセリン
油分で肌の表面をおおう成分。化粧水などで水分を与えてから重ねるのが基本です。
■スクワラン
肌の表面をおおって水分を逃げにくくし、肌をやわらかく保つ油分です。
■シア脂(シアバター)
スクワランと同じく、表面をおおって肌をやわらかく保つ油分です。
■チャ種子油
お茶の種からとれる油分で、保湿成分として使われています。
保湿以外の目的で使われる成分
■ビタミンC誘導体
日やけによるシミ・そばかすを防ぐ目的などで使われることが多い成分です。
■シカ
ツボクサという植物由来の成分で、肌荒れを防ぐ目的で使われることが多いと言われています。
まとめ: 水分を「保つ」成分と油分の「ふた」に注目!冬の顔の保湿クリーム選び
冬の顔が乾きやすいのは、乾いた空気や暖房に、熱いお湯やこする習慣が重なって、肌のうるおいを守るしくみに負担がかかるから。まずは、洗ったらなるべく早く保湿する、こすらない、お湯はぬるめに、といったお金をかけない見直しから始めてみてください。
そのうえで保湿クリームを選ぶなら、見るのはセラミドなどの「保つ」成分と、ふたになる油分。ヒアルロン酸は、入っていればうれしい成分くらいに考えておくと、店頭でも迷いにくくなります。
パッケージの成分名が少し読めるようになると、冬のクリーム選びがちょっと楽しくなります。気になるタイプが見つかったら、上のタイプ別のおすすめもあわせてチェックしてみてください。


